痛みに配慮した虫歯治療
痛みを考えた治療
治療中の痛みは、誰でも嫌なものです。当クリニックでは、可能な限り痛みを考えた治療に取り組んでおりますので、痛みに敏感な方でも治療を受けていただけます。
治療前の麻酔注射はもちろん、麻酔のための表面麻酔や電動麻酔器、温めた麻酔液を使用し、できるだけ痛みが生じない工夫を行っております。
また、麻酔針を刺す角度や麻酔液を注入するときの速度にも気を配っております。針を刺すときのチクっとした痛みや、薬が入るときの不快感が気になる方はまずご相談ください。お子さまからご年配の方まで、痛みが気になる方をしっかりサポートいたします。
できるだけ削らない治療
これまでの虫歯治療は、感染した部分を削り、薬を詰める治療が行われてきました。また、深い虫歯になると神経にも感染している可能性があるため、神経を取り除かなければなりませんでした。
当クリニックでは、できるだけ削らない治療を基本としております。大きめの虫歯には、できるだけ削る量を抑えつつ感染部分はしっかり取り除いた後、薬や被せ物を詰めて処置を終えます。
また当クリニックでは、削る量は抑えても、一つひとつの処置を確実に行うことが、再発を防ぐために重要であると考えております。患者さまの大切な歯をお守りすべく慎重に治療を行います。
虫歯の進行
歯の状態によって、虫歯の進行具合を段階に分けることができます。虫歯は気がつかない間に進行してしまうため、痛くなってからでは手遅れです。定期的に歯の健康診断を受けて虫歯の早期発見・早期治療を心がけましょう。
◆Co(初期虫歯)
エナメル質の表面が酸によって白く濁った状態、もしくは溝が茶色になった状態です。見た目ではほとんど分かりづらい虫歯の初期状態です。この段階でしたら、歯磨きや歯医者さんで行うフッ素塗布で再石灰化が期待できます。
◆C1(エナメル質う触)
エナメル質内に細菌が進入して穴が開いた状態です。この段階では、再石灰化はほとんど期待できません。また、痛みを伴う自覚症状はほとんどありませんので、早期に治療することで進行を食い止められます。
◆C2(象牙質う触)
象牙質まで細菌が進入した状態です。象牙質はエナメル質よりも虫歯が進行しやすいため、C2になると虫歯の進行は一段と早くなります。レジン充填やインレーなどを使った治療が行われます。
◆C3(神経まで達したう触)
歯髄まで細菌が進入した状態です。歯髄には痛みを感じる神経が含まれているため、細菌が進入すると歯髄炎を起こして激しい痛みを伴います。この段階になると歯髄(神経)を取り除き、根の中をきれいに殺菌してから被せ物を入れます。
◆C4(残根状態)
歯の根だけが残る末期症状です。歯髄炎を放置すると、その痛みはある日なくなります。それは治ったのではなく、神経が死んでしまって感じなくなっているだけです。さらに放置すると、歯の根の先から歯根膜に炎症が起き、硬い物を噛むと痛みや違和感を伴うようになります。
◆根尖病巣
骨の中まで細菌が進入し、根の先に細菌と膿が溜まっている状態です。噛んだときの違和感や痛みが出る場合もあります。
通常、あまり症状はありませんが、免疫力が弱まると膿の量が増えて痛みが出る場合があります。症状がある場合や根尖病巣が大きい場合は、根の治療を行います。
しかし、一度根の先に細菌が侵入すると再発の可能性が高く、放置すると稀に喉や骨・骨の中の神経・脳に細菌が進入して炎症を起こす可能性があります。
虫歯の予防法
砂糖は細菌の大好物です。細菌は砂糖を分解し、酸を発生させます。この酸が歯を溶かして虫歯を作ります。
虫歯を防ぐうえで効果的な方法が食後の歯磨きです。ガムや殺菌洗口剤を用いればさらなる予防につなげられます。
ガムを活用した予防方法
●代用甘味料
代用甘味料とは、砂糖の構造が複雑で細菌を分解しにくくしたものです。主に、キシリトールやステビアなどがあります。中でも、キシリトールの細菌の活動を抑える働きは注目されています。
●アパタイトやカルシウム
アパタイトとは、エナメル質の大部分を作っている成分のことであり、歯の再石灰化を促してくれます。ただし、再石灰化効果は初期の虫歯にしか期待できません。
●キシリトール
キシリトールに含まれるリカルデント成分は、初期虫歯の脱灰を修復して再石灰化を促します。リカルデント配合のガムは「虫歯になりにくい食品」として効果が認められ、厚生労働省より特定保健用食品に認定されました。1日4回、食後に20分間噛むと効果的だといわれています。
※時間や回数はあくまでも目安です。
殺菌洗口剤を活用した予防
虫歯とは、細菌による感染症です。殺菌洗口剤を効果的に使用することで、細菌の繁殖数を抑え虫歯を予防できます。歯を磨いた後に殺菌洗口剤で口をゆすぐと効果的です。ただし、プラークコントロールができなければ効果はほとんどありません。
殺菌洗口剤にはさまざまな種類があり、配合成分や効果が異なりますので、正しく知って上手に使い分けましょう。
配合成分と予防効果は次の通りです。
- トラネキサム酸:炎症を抑える
- 塩化セシルピリジウム:細菌の殺菌
- クロルヘキシジン:細菌の殺菌とプラークの抑制
- フッ素 :歯質の強化
●パーフェクトぺリオウォーター
お口の中の歯周病原菌を殺菌する機能水です。体内の免疫成分と同じ成分ですので、高齢の方から妊婦さん・お子さまなど幅広い方へ副作用の心配なく使用できます。効果的な使用法は、ブラッシングで汚れを落とした後、パーフェクトぺリオを適量お口に含み、そのまま10秒間ブクブクうがいをすると細菌が溶菌します。